4. 皮膚病を判る: 原因と機構/分類の細分化
形には何か意味があるはずだと思いつき、考え始めれば決して終わりはありません。
- 原因に基づく分類:
生物(真菌・細菌・ウイルス)、化学物質、物理侵襲(外力・温度・
光線)・・・ - 機構に基づく分類:
アレルギー、水疱症、膿疱症、炎症性角化症、膠原病、母斑、
沈着症、萎縮症・・・ - 組織に基づく分類:
表皮、付属器(爪・毛・毛包脂腺・汗腺)、結合織、脈管、神経、
リンパ系・・・ - ・・・に基づく分類:
・・・
最近の流行で言えば、遺伝子 による分類、というのもありえますか。誤解なきよう。
原因遺伝子を特定できたら、それで全て判った、というほど病気は甘くないのでしょ。
皮膚科の病気なら 色素性乾皮症 が有名です。たしかに確実に一歩、昇りました。
しかしそれが「遺伝が原因」にまで行ってしまうと、何か違うようにも感じるのです。
そもそも「遺伝子」には、思いもよらなかったほどの 可塑性 があるようですし。
── 遺伝子の 変異 こそが、「進化」の本態だとも言われているものですし。
真の 原因 が判らなくても、そこで何が起こっているのか、という 機構 メカニズムが
判るだけでも、大きな進歩です。
進歩は続けたいものですが、科学技術において進歩は絶対善の同義語でない、
という点、にもまた、常に留意していきたいものです。
「知識より智恵を・論理より倫理を・格式より諧謔を」 ── 信条として精進します。